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ITIL 第1回 ITサービスの運用をうまく回すためには?

投稿日:2013/11/29カテゴリー:ITIL

Information Technology Infrastructure Library (ITIL)

こんにちは。
FL.OPSの中の人その2、DAO(だお)です。

これから、じゅんちゃんを始めとして、FL.OPSの仲間達がこの技術ブログを連載していきますので、よろしくお願いします。

さて、冒頭に書いているITIL (アイティル)というキーワード。
これは、ITサービスの運用を行う上で、とても重要なキーワードです。
もう少し詳しく紹介すると「ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめた書籍群」となります。
つまり、ITサービスの運用・管理を行うにあたって、お手本とすべきノウハウや知識の集合体といった感じです。
2007年にV3(バージョン3)が登場しましたが、まずはその基本となったV2について、簡単に解説します。

ITIL V2 は、8冊の書籍にまとめられていますが、その中心となるのが「サービスサポート」と「サービスデリバリ」になります。

  • サービスサポート:日常的な運用管理作業をスコープとした書籍
  • サービスデリバリ:中長期的な運用管理計画をスコープとした書籍

今回は、我々FL.OPSの運用にも用いている、サービスサポートについて、解説します。

サービスサポートは、 IT運用における障害やユーザーからのリクエストを全て管理し、それぞれの事象(インシデント)に対して根本的な原因を追求し対処を行います。

その対処には、サーバ等の資産の増強や変更なども含まれ、それぞれの変更点や資産の情報の管理までを行います。

サービスサポートは、プロセスごとに以下の5つに分類し、これらのプロセスを連携させて運用を行います。

  1. インシデント管理
    顧客からのあらゆる問い合わせや障害などを管理するプロセスです。
    インシデント管理では、ITサービスの復旧が最優先され根本原因の解明は行いません。
  2. 問題管理
    インシデント管理で対処できなかった事象の根本原因の解明と将来発生しうるインシデントの可能性を取り除き、インシデントの発生数を減少させるプロセスです。
  3. 変更管理
    問題解決及び要件変更に対応するために行う変更作業を管理するプロセスです。
  4. リリース管理
    変更管理で承認された変更依頼を元に実際の変更作業を行うプロセスです。
    変更作業の計画、設計、構築、検証などを含みます。
  5. 構成管理
    変更管理と連携し、IT環境を構成するあらゆるハードウェアやソフトウェア、ドキュメントなどの構成アイテムが格納される構成管理データベース(CMDB)を管理するプロセスです。

たとえば…
パソコンが壊れた場合。
①まず、ユーザはお客さまセンターに連絡をします。
②お客さまセンターの担当は、事例を元に、パソコンの再起動等の解決策を提案します。
③その提案で直らない場合、パソコンをお客様センターに送ってもらい、詳細な調査を行います。
④調査にて、製品の欠陥が原因で要修理と判明した場合、パソコン会社で対策会議を行います。
⑤会議において、関係メンバーにて検討した結果、改修と決まった場合、修理を行います。
⑥修理後、正しく修理が行われたか関係者でレビューを行い、パソコンをユーザに返却します。

この一連の話において
①と②がインシデント管理
③と④の前半が問題管理
④の後半と⑤が変更管理、リリース管理
①のお問い合わせ受付時に、お客さまのパソコン情報を管理すれば、構成管理
と、当てはめることができます。

このように、5つのプロセスでキチンと管理することで、インシデントの放置などが無くなり、また、類似事例の確認が容易になることで対応が効率化されます。

長くなりましたが、今回はここまでです。

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