Merry Christmas♪ …少し早いですけど(笑)
FL.OPSの中の人その2、DAO(だお)です。
第3回の今回もITIL (アイティル)について解説します。
今回は問題管理について詳しく解説をします。
(1)問題管理とは
インシデント及び問題がビジネスに対して与える悪影響を最小限に留め、インシデントの再発を
防ぐためのプロセスのこと。
ITILのサービスサポートでは、問題管理の定義を「ITインフラストラクチャ内のエラーによって
発生するインシデントや問題の事業に対する悪影響を最小化すること、及びこれらのエラーに
関連するインシデントの再発を防ぐことである。」と解説しています。
(2)インシデント管理との違い
問題管理とインシデント管理の違いは、以下の様な活動目的の違いにあります。
о問題管理 … インシデントの根本原因の検知並びに解決と予防
оインシデント管理 … 迅速なサービスレベルの回復
(3)問題管理の分類
問題管理は大きく「受動的な活動」と「積極的な活動」の2つに分類できます。
またこれらの活動はそれぞれさらに分類することができます。
о受動的な活動 … 「問題コントロール」「エラーコントロール」
о積極的な活動 … 「トレンド分析」「予防措置の明確化」
①受動的な活動
インシデントの活動を受けて、問題を解決する活動のこと
「問題コントロール」と「エラーコントロール」に分類できる。
a)問題コントロール
発生したインシデントの根本原因を解決する活動
ⅰ)問題の識別と記録
о問題の識別と記録を実施するプロセス
о他のインシデントやITILの別のプロセスなどから識別される
о識別された問題はどんな問題でも「問題レコード」として記録する
о記録の内容は「問題発生日時」「問題の概要」「関連した構成アイテム」であり、
対応が進展するたびに随時記録を追加していく
ⅱ)問題の分類
о適切かつ正確に問題を解決するための分類活動
о記録した問題を「構成アイテム」「影響度」「緊急度」の3つの観点から分類し、
優先度をつける
ⅲ)問題の調査と診断
оインシデントの原因究明に向けた分析、即ちインシデントの根本的な原因解明が
この活動にて実施される
оこの活動により根本原因及び解決策が判明されるとエラーコントロールのプロセスが
開始される
ⅳ)エラーコントロールへの引き渡し
о問題の根本原因が判明した後、エラーコントロールのプロセスが開始される
a)エラーコントロール
問題コントロールにより既知エラーとされた問題を解決策を用いて排除する活動
ⅰ)エラーの識別と記録
оエラーの識別と記録を実施するプロセス
о問題コントロールからのルートや開発環境において発見されたエラーのルートなどが
導入となる
ⅱ)エラーの評価
о問題コントロールにおいて判明した解決策の評価を行う
о評価のポイントは「自組織の環境において実行可能か」「コスト的に妥当か」
оこの評価にて「妥当」と判断された解決策についてはRFC(変更要求)が作成され、
後述の変更管理プロセスにおいて実施される
ⅲ)エラーの解決後の記録
о解決策の記録を録る
о記録を録ることにより、以降同様のインシデントが発生した場合に迅速かつ確実な
インシデント対応が可能となる
ⅳ)エラーと関連する問題のクローズ
оエラーコントロールのクローズ(終了)
②積極的な活動
インシデントが発生する前に問題を識別し、解決することを狙いとした活動
「トレンド分析」と「予防措置の明確化」に分類できる。
a)トレント分析
インシデントや問題を分析することでシステムにおける弱点を見出す作業
b)予防措置の明確化
トレンド分析の結果に基づきインシデントを予防する措置を取る
トレンド分析により検出された傾向を以下の点から判断して対策を施すことが必要となる
оインシデントが発生した際に被害を被る顧客数
оインシデントが発生した祭、解決に要する時間と関連するコスト
оインシデントが利用者のビジネスに与える影響度
今回は問題管理について解説しましたがいかがでしたか。
問題管理は、インシデント管理との区別が難しいと言われますが、この解説でその違いが明確になったと思います。
インシデント管理とあわせて、問題管理もしっかり行いましょう!
次回構成管理について解説します。
よいクリスマスをお過ごしくださいませ。