早いもので5月も半ばを過ぎ、もうすぐ梅雨に入り紫陽花が綺麗な季節を迎えますね。
しかし、この業界のエンジニアと呼ばれる皆さんは、4月末に開催された「Microsoft Build Developer Conference 2015」、5月末に開催される「Google I/O 2015」は言うに及ばず、毎日のように様々なICT関連企業から新技術の公開や公表が行われていますので、紫陽花を楽しむ暇などないかもしれませんね。
今回ご紹介する「Raspberry Pi」は、イギリスのラズベリーパイ財団 (Raspberry Pi Foundation) によって開発され、2012年2月29日の発売以来、累計500万台(2015年2月18日時点)が販売された、シングルボードコンピュータです。
この記事は「Raspberry Pi」を既に「知っている/使っている」方には、ほとんど意味のない記事ですので、次回の記事を期待してください。
「Raspberry Pi」の概要・仕様及び概観・価格は http://ja.wikipedia.org/wiki/Raspberry_Pi を参照してください。
名刺より少し大きめの基板むき出しのコンピュータなのですが、最大の特徴は40ピン汎用入出力ポート(GPIO)を有し、公式に提供されるOS(Debian, Fedora, Arch Linux, RISC OS, Windows 10)が多彩だということです。
そもそも、学校等でのコンピュータ科学教育を促進することを意図して開発されていますが、インフラ/アプリケーションエンジニアのスキルアップ教育や技術検証用とでも充分活用できます。
エンジニアの多くはパソコンや各種本番環境に準じたサーバやネットワークの試験・検証環境を利用して日常業務を行うかたわらスキルアップにも取組んでおられることと思います。
日々新しくなる技術に追従する為のスキルアップ教育をOJTで行うことができれば良いのですが、ほとんどの場合OFF-JTで行わざるを得ないのが現実です。
多くの場合は、セミナー受講やゴールが準備されたハンズオン等を通じて修得に努めるのですが、日常業務を行っている環境で、修得した新技術を検証することは通常許されません。(セキュリティはじめ各種管理上の問題で)
そこで、OFF-JTの成果を検証するツールとして、自宅でも簡単に利用できる「Raspberry Pi」を活用できないかという事になるわけです。
なんせ「Raspberry Pi」は
1)安い!(本体は$20から$35)
2)利用可能なオープンソースが豊富
3)既存のパソコン資産を活用できる。(ディスプレイ,各種USB機器,SDカード)
4)初期化が簡単(失敗を恐れずにチャレンジできる)
等のメリットがありますので、エンジニアのOFF-JTを支援するツールとして活用してみては如何でしょうか。
最後になりますが、「Raspberry Pi」を購入し利用する為に必要な最低限の機器を紹介しておきます。
1)WiFi子機(WLI-UC-GNM等)・・・・・・・・・・ 800円程度
2)SDカード(8GB以上,Class10)・・・・1,500円程度
3)HDMIケーブル&ディスプレイ・・・・・・・・・初期設定時に必須
USB-TTLシリアル接続すれば不要
4)USB-キーボード・・・・・・・・・・・・・・・初期設定時に必須
USB-TTLシリアル接続すれば不要
5)USBマウス・・・・・・・・・・・・・・・・・・初期設定時にあれば便利
USB-TTLシリアル接続すれば不要
6)スマホ用充電器(iPhon用は不可)・・・・・・5V,1A以上
これが「Raspberry Pi」の電源になります。
※OSが起動しSSH接続を許可すれば、手元のパソコンから「Tera Term」等で接続できますので、「Raspberry Pi」用キーボードとディスプレイは不要になります。
※VNCサーバを「Raspberry Pi」にインストールし、手元のパソコンにVNCビューアをインストールすれば、「Raspberry Pi」用キーボードとディスプレイ、マウスは不要になります。
具体的なOSのインストール方法や、活用事例はネットで検索してみてください。「raspberry pi」で検索すれば沢山の事例を簡単に見ることができます。
※OSイメージのダウンロードには、ネットワーク環境にもよりますが、1時間以上の時間がかかります。
国内のミラーサイト(北陸先端科学技術大学院大学)を利用すると、半分程度の時間でダウンロードできます。
では、是非チャレンジしてみてください。